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week23 中京大学大学院心理学研究科における研究の現在


 TEEP専門コースの心理カウンセリングコースを開講している中京大学大学院心理学研究科では,臨床心理学を含む心理学に関する様々な研究が日々活発に行われています。それらの研究は研究結果として発表され社会に還元しており,ときに,こちらのコラムで取り上げたような産官学連携を行い,直接社会をよりよくするために使われています。
 現在の心理学研究においては質的研究と量的研究双方が行われています。質的研究においては,旧来KJ法*を用いた分析が行われていましたが,GTA**やM-GTA***などの手法が主流になってきています。さらに,近年視覚的に質的データを捉えることが出来るテキストマイニングなどの手法が主流になってきています。量的研究では,因子分析のみならず,重回帰分析や共分散構造分析が主流であります。さらに,近年ではただ統計的研究を行うのみならず,検定力を検討し,より分析の妥当性や信頼性を高めることが必須となっています。

 中京大学大学院心理学研究科の院生は,修士課程の段階で,何がより適切な分析であるかを検討し,選んだうえで研究計画を立てることが求められます。近年の院生は修士論文や卒業論文の段階でも共分散構造分析を使いこなす研究を行うことが多いです。これらの学生を指導する実務家教員を含む大学教員は,学生の行う研究に対して指導を行うため,表面的ではなくより深い研究に関する知識や,学生の研究計画を検討する技能を持つことが求められます。TEEPの科目である「心理学研究法」では複数教員から研究手法を学ぶことができますし,院生の研究計画の課題点を指摘し,助言する様子を学んでいただけます。また,中京大学心理学研究科ではテキストマイニングなど最新の手法に関しても習熟するために教員間でも盛んに知識の共有を行ったり,研究の共有や検討を行ったりしています。
 みなさんの研究はいかがでしょうか。日々アップデートされゆく心理学の世界で学びたい手法や深めていきたい手法はありますか。中京大学大学院心理学研究科では研究に関する最新の学びのお手伝いをさせていただけたらと考えています。

【文責:不破早央里(中京大学心理学部任期制助手)】
*KJ法・・川喜田二郎氏が1967年に考案したカードを用いてデータをまとめる手法。
**GTA・・Grounded Theory Approachの略で,1967年にGlaserとStraussによって提唱されたデータに立脚した仮説や理論を構築するための分析手法である
***M-GTA・・修正版Grounded Theory Approachとも呼ばれる手法である。GTAと異なりデータを細かく分ける切片化を行わず,分析テーマと分析焦点者の2点からデータを検討していく。
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