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ホーム >  コラム >  week29 災害薬事コーディネーター制度の整備と課題

week29 災害薬事コーディネーター制度の整備と課題


 2011年の東日本大震災では、医療用の支援医薬品が集積所に停滞したり、必要な場所に届かなかったり、支援薬剤師の配置などについてもニーズとのミスマッチがあったことなどの教訓から、「災害薬事コーディネーター」に関する制度を整備する都道府県が増えつつあります。また、本年7月22日には、厚生労働省から「大規模災害時の保健医療福祉活動に係る体制の整備について」の通知が発出され、大規模災害が発生した場合には、速やかに、都道府県災害対策本部の下に、その災害対策に係る保健医療福祉活動の総合調整を行うための保健医療福祉調整本部を設置し、その構成員として災害薬事コーディネーターが初めて明記されました。
 災害薬事コーディネーターは、大規模災害時に医薬品の確保と供給、薬剤師の確保と適正配置をコーディネートするため、2012年に高知県で初めて導入され、2013年の静岡県に続いて都道府県単位で整備されてきました。しかし、災害薬事コーディネーターの業務内容などは全国で統一されておらず、都道府県による違いも大きく、全国的な整備状況や運用実態の詳細は不明でした。
 岐阜薬科大学地域医療実践薬学研究室では、災害薬事コーディネーター制度に関する全国調査を実施し、その結果を10月9~10日に仙台市で開催された第55回日本薬剤師会学術大会で発表しました。この調査から、災害薬事コーディネーター制度が整備されていない都道府県は約半数にのぼることが判明しました。岐阜県の災害薬事コーディネーターは20数名が登録されていますが、岐阜県の災害薬事コーディネーター制度のさらなる充実を図るため、当研究室では、岐阜県庁や岐阜県薬剤師会に協力して検討を重ねております。
 TEEP減災・医療コースにおける岐阜薬科大学での演習では、災害薬事コーディネーター制度についても学習していただきます。

【文責:林 秀樹(岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室 教授)】

TEEP専門コース別ワークショップを開催!

【テーマ】領域別に考える実践知の伝え方
     ~専門コースの各分野で実務知・臨床知を教育に生かすには~

【開催日時】2022年11月16日(水) 18:00~19:00
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減災・医療コースにおいても、多職種連携型PBLを企画・推進し、「探求力」を鍛錬する環境を作り、「自ら育つ」未来人材を育成するための実務家教員のあり方を検討します。実践知を学びの場に移転し、どのように伝えるべきかを考えます。

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      新型コロナ感染症の災害において、病室内でトイレ問題が発生しました。
      それに関しての病院内での対策をお伝えし、大規模災害時の避難所、家庭でのトイレ問題を、
      参加者と一緒に検討します。

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※同日(14:00~16:00)シンポジウムも開催します
【テーマ】 実践知を教育にいかす探究授業を「つくる。」~新たな未来を牽引する人材を育てるには~
【開催内容】本年度のシンポジウムでは、未来を支える人材を育成・確保する教育を考え、多様な他者と協働
      しながら、新たな価値やビジョンを創造し、課題解決に取り組める人材を育てるために、実践知
      を教育にいかす方法を検討します。

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