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week44 本格化した運動部活動の段階的な地域移行への取り組み


 令和5年を迎え、スポーツ庁より提言された運動部活動の段階的な地域移行が本格的に始まっています。愛知県においても様々な取り組みが既に行われています。
 名古屋市では令和2年9月より「名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動」という事業を実施しています。従来教員が指導にあたってきた小学校4~6年生の部活動(スポーツや音楽等)を民間へ委託し、火曜日から金曜日の内3日間をいくつかの種目から選択して参加できる新たな取り組みを行なっており、現在では16区全ての名古屋市立小学校が対象となっています。指導者は「なごや部活動人材バンク」を利用し募集され、指導法や安全管理の研修を受けた後、競技経験者や有資格者を中心に指導に当たるとされています。
 豊田市では令和3年4月より「豊田市教職員多忙化解消プラン」 を運用しており、令和5年度を目処とした部活動の地域移行が検討されています。具体的には、中学校の休日(土・日・祝)の部活動を地域へ以降することや部活動指導員の拡大といったことが挙げられています。この移行に伴い令和5年2月11日には今後の部活動の目指す姿や課題等について「こどもたちのスポーツ・文化活動を考えるシンポジウム『部活動の地域移行』って何?」が開催 されます。
 部活動の地域への移行は、今まで指導の中心にいた教員の業務負担を減少させることや、複数の学校が地域スポーツクラブへ集まることで、少子化による部員数の減少問題の改善へとつながります。しかしながら、周辺地域で適切な指導のできる人材を確保できるのかが大きな問題として考えられます。特に育成世代とされる小学校〜高校までのスポーツ指導は心身の発達に大きく関わり、重要な時間(期間)と言えます。指導者は経験や感覚的なものではなく、いかに言語化し、具体的な指導ができるかが重要となり、確かな裏付けとしてスポーツの科学的根拠の理解や指導の実践が必須であると考えられます。しかしながら、全国の学校部活動指導者の実態調査によれば、中学校や高等学校の部活動指導員及び外部指導者の内、およそ半数がスポーツ指導に関する資格を有していません。
 部活動の段階的な地域移行により、育成年代のスポーツ指導の現場における指導者やマネージメントができる人材の重要度はより一層高くなります。そういった人材の育成と輩出において、大学の担う役目は大きいと考えられます。

【文責:稲葉泰嗣(中京大学スポーツ科学部 任期制助手)】

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