month24 スポーツにおけるセーフガーディング(Safeguarding)という文化の醸成に向けて

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック大会では、選手たちの諦めない挑戦する姿に感動し、あらためてスポーツの素晴らしさを感じた人も多かったのではないだろうか。皆さんは、このオリンピック大会の裏で、セーフガーディングオフィサーが活動していたことはご存じであろうか。セーフガーディングオフィサーとは、選手たちが安全安心な環境の中でプレーできるよう、ハラスメントや虐待の通報を受け付け、適切な対応をとる人たちである。IOCは、2021年からセーフガーディングオフィサーの育成に乗り出しました。

セーフガーディングオフィサーの主な役割としては、選手やスタッフからの相談の受付の他に、大会開催に関わるリスクマネジメントを行い、リスクを把握し、事前にリスクの予防をしておくことも求められます。また、行動規範やセーフガーディングポリシーを策定し、組織全体にセーフガーディングの文化の浸透を促進することも行います。そして、実際に問題が発生した場合には、適切な調査機関や組織内の担当部署と連携し、適切な対応が行われるよう行動します。2024年のパリオリンピック大会では、154名の各国のセーフガーディングオフィサーが選手やスタッフの身体的・精神的健康を守るために活動し、大会開催において重要な役割を果たしたことが伝えられています。オリンピックでは、現在、選手たちがリラックス、リフレッシュするためのマインド・ゾーンという部屋が用意され、セーフガーディングオフィサーが常駐しています。競技で活躍するためには、選手たちの「心技体」の「心」の部分への配慮も必要であることが認識されるようになってきています。
わが国では,高校バスケ部指導者の暴力・暴言によって主将が自殺した事件をきっかけに2013年に主要な競技団体が「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」を採択しましたが、その後も被害は絶えません。部活動の地域移行が進められようとしている中、外部指導者へのセーフガーディングの研修は必要不可欠といえます。
このようなセーフガーディングの活動は、スポーツ界だけでなく、学校、企業などの社会でも必要ではないでしょうか。いじめや差別、ハラスメントのない社会の実現に向けて、様々な場面でセーフガーディングオフィサーが活躍することが期待されています。
【文責:石堂典秀 (中京大学スポーツ科学部教授、IOC認定セーフガーディングオフィサー)】
わが国では,高校バスケ部指導者の暴力・暴言によって主将が自殺した事件をきっかけに2013年に主要な競技団体が「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」を採択しましたが、その後も被害は絶えません。部活動の地域移行が進められようとしている中、外部指導者へのセーフガーディングの研修は必要不可欠といえます。
このようなセーフガーディングの活動は、スポーツ界だけでなく、学校、企業などの社会でも必要ではないでしょうか。いじめや差別、ハラスメントのない社会の実現に向けて、様々な場面でセーフガーディングオフィサーが活躍することが期待されています。
【文責:石堂典秀 (中京大学スポーツ科学部教授、IOC認定セーフガーディングオフィサー)】