month17 避けては通れない「言語化」と「一般化」の営み
2025年4月から名古屋市立大学で勤務しております川合一郎と申します。同3月末までの計28年間、さる民間企業に在籍していました。いわば私も実務家教員の一人であり、目下実務家であるTEEP受講生の皆さんに少なからぬ親近感を覚えつつ、毎回の授業に臨んでいます。
さて、このTEEPはいうまでもなく大学における進化型実務家教員を養成する実践的プログラムですが、本プログラムで目指す大学教員とは、果たしてどのような能力・スキルが求められる職種なのでしょうか。私なりに整理すれば、自らが向き合う諸事象を絶えず「言語化」し、加えてそれらを「一般化」していく能力です。まさにこの2つこそが大学人として生きていく上で不可避かつ不可欠な能力の一つだと、着任して約半年ながら日々痛感している次第です。
ここでいう「言語化」とは、第三者に対してロジカルにわかりやすく、かつシンプルに自らの思考や情報を伝えることを意味します。当然ながら同じ会社の社員同士なら理解できる阿吽(あうん)の呼吸や空気感、あるいは未整理のままの生の情報を授業に持ち込んでも、学生には伝わりません。また「一般化」とは、一つの事例や自らの体験から広く一般的・普遍的傾向を取り出す営為を指します。例えば自分の体験談を紹介する場合でも、その体験から他にも応用できる普遍的価値を提示できなければ、単なる年長者の自慢話で終わってしまいます。
しかし多くの実務家にとって、この「言語化」と「一般化」は鬼門であり、アキレス腱でもあります。というのも、企業内教育などで上述の能力をトレーニングする機会はさほど用意されていないからです。正直にいえば私自身、会社員時代は暗黙知の世界にどっぷり浸かっていました。また企業などの組織には固有の習慣や文化、風土などがあり、その組織内でしか通用しない特殊能力でも十分仕事が遂行できます。このためなかなか自身の経験やスキルを俯瞰的・理論的に捉えなおす場面が少なかったのも事実です。
私が申し上げるまでもなく、実務家の経験はまさに宝石箱です。この「言語化」と「一般化」の思考を適切にトレーニングし、宝石ともいうべき貴重な体験・実践を効果的に学生に発信すれば、ひいては広く社会の共有財産となります。そして本TEEPには、必要なトレーニング機会が潤沢に用意されています。
私も実務家教員としてまだまだ成長途上です。皆さん、一緒に頑張りましょう!何卒よろしくお願いいたします。
【文責:名古屋市立大学高等教育院 講師 川合 一郎】
さて、このTEEPはいうまでもなく大学における進化型実務家教員を養成する実践的プログラムですが、本プログラムで目指す大学教員とは、果たしてどのような能力・スキルが求められる職種なのでしょうか。私なりに整理すれば、自らが向き合う諸事象を絶えず「言語化」し、加えてそれらを「一般化」していく能力です。まさにこの2つこそが大学人として生きていく上で不可避かつ不可欠な能力の一つだと、着任して約半年ながら日々痛感している次第です。
ここでいう「言語化」とは、第三者に対してロジカルにわかりやすく、かつシンプルに自らの思考や情報を伝えることを意味します。当然ながら同じ会社の社員同士なら理解できる阿吽(あうん)の呼吸や空気感、あるいは未整理のままの生の情報を授業に持ち込んでも、学生には伝わりません。また「一般化」とは、一つの事例や自らの体験から広く一般的・普遍的傾向を取り出す営為を指します。例えば自分の体験談を紹介する場合でも、その体験から他にも応用できる普遍的価値を提示できなければ、単なる年長者の自慢話で終わってしまいます。
しかし多くの実務家にとって、この「言語化」と「一般化」は鬼門であり、アキレス腱でもあります。というのも、企業内教育などで上述の能力をトレーニングする機会はさほど用意されていないからです。正直にいえば私自身、会社員時代は暗黙知の世界にどっぷり浸かっていました。また企業などの組織には固有の習慣や文化、風土などがあり、その組織内でしか通用しない特殊能力でも十分仕事が遂行できます。このためなかなか自身の経験やスキルを俯瞰的・理論的に捉えなおす場面が少なかったのも事実です。
私が申し上げるまでもなく、実務家の経験はまさに宝石箱です。この「言語化」と「一般化」の思考を適切にトレーニングし、宝石ともいうべき貴重な体験・実践を効果的に学生に発信すれば、ひいては広く社会の共有財産となります。そして本TEEPには、必要なトレーニング機会が潤沢に用意されています。
私も実務家教員としてまだまだ成長途上です。皆さん、一緒に頑張りましょう!何卒よろしくお願いいたします。
【文責:名古屋市立大学高等教育院 講師 川合 一郎】