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month2 岐阜薬科大学におけるTEEP減災医療コース


 岐阜薬科大学では、これまで進化型実務家教員養成プログラムTEEP減災医療コースにおいて、大規模災害時の医薬品供給や薬剤師業務に関する知識・技能の習得や、災害医療に関する研究体験のプログラムを提供してまいりました。被災経験のある薬剤師や被災地支援経験のある実務家教員らによる講義や、実際に大規模災害の被災地を訪れて被災当時の様子や復興における現状について現地の医療従事者らとディスカッションするフィールドワークなどは受講者からも好評です。
 また、全国の大学に先駆けて岐阜薬科大学が導入した災害対策薬局車両「モバイルファーマシー」を活用した研究体験では、被災地を想定してドローンを用いたモバイルファーマシーへの医薬品供給に関する実証実験への参加など、実務家教員に必要な研究指導能力の醸成することを目的とした実習も提供してまいりました。臨床教育における実務家教員の役割は、単に経験を語るだけではありません。学生が将来医療に携わる中で、直面する問題を解決するための能力を養うことが重要です。医療における問題点を解決するためには、Clinical QuestionをResearch Questionとして整理して検証し、科学的なエビデンスを蓄積することが必要です。また、臨床における数々の診療ガイドラインは、このような科学的エビデンスに基づき定められており、医療者が診療ガイドラインを正しく理解するためには研究マインドが必要となります。つまり、研究能力の醸成が医学・薬学教育では重要であり、実務家教員はそのための研究指導能力が求められます。
 「令和6年能登半島地震」においては、全国の病院や薬局に勤務する薬剤師が被災地の支援に駆け付けました。岐阜薬科大学においても、発災後の早期から薬剤師である実務家教員が交代で被災地において医療支援に従事しました。岐阜薬科大学では、このたびの経験を生かして、いわゆる「防ぎえた災害死」を減らすべく災害薬学研究への取り組みを加速して参ります。
 今年度以降、TEEP減災医療コースにおける岐阜薬科大学でのプログラムでは、実務家教員に必要な臨床薬学研究・災害薬学研究における指導力向上に向けた内容を充実させていくことを検討しております。皆様の受講を心よりお待ちしております。

【文責:林秀樹 岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室 教授】
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