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week90 「TEEPセミナー in 高知 2023」を開催しました


 12月11日(月)10時30分から、「TEEPセミナー in 高知 2023」を開催しました。今年のテーマは「実践知を大学教育にどう活かすか」です。実務家教員として高知県立大学で勤務している、看護学部の木下真里教授と久保田聰美教授、社会福祉学部の辻真美講師がパネリストとして参加しました。
 TEEP実施委員長である名古屋市立大学大学院経済研究科の鵜飼宏成教授による開会のご挨拶の後、次の4つの質問に3人のパネリストが答えるかたちでセミナーは進行しました。

1.「現場で学んだ知識や技術を大学教育に活かすことの目的、意義、期待」
2.「現場で学んだ知識や技術を学生に伝える方法」
3.「実践知のアップデートをどのようにしているか」
4.「実践知を大学教育にどう活かすか」
 興味深い発言が続き、ワクワクしながら司会をさせていただきました。「現場を熟知し、その経験を活かして教育している大学教員の発言は、学生の成長に大きく寄与する」というのが、全体を通しての私の感想です。
 いくつか印象に残っていることをあげると、「専門職も揺らぐということを伝える」ということです。教員が専門職者として経験した失敗やうまくいかなかったことを学生時代に聞いていれば、学生が専門職者となったときに戸惑いや行き詰まりが軽減されるのではないか。まさに大学と現場の「落差」を埋める視点だと思いました。また、看護学部も社会福祉学部も国家試験の合格率を上げることが使命の一つですが、無味乾燥な試験対策に力を入れるのではなく、わかりやすく伝えるために実践することの楽しさを伝える。あるいはストーリーを伝える。対話型の授業を行う。そうすることで、学生たちは専門用語の意味を理解することができ、結果的に国家試験をクリアできていく。
 実践知をアップデートするために、大学教員となってからも、大学の許可を得て、休日に専門職者として仕事をしている。あるいは、家族の介護をする中で、現場の今を再認識することもあるそうです。一方で、大学教員となってからはまとまった時間が取れず、現場に出向く機会が激減しているという悩みも指摘されました。
 最後に、名古屋市立大学大学院人間文化研究科の小林直三教授に講評をいただき、セミナーは終了しました。
 大学教育における「実務家教員のチカラ」を再認識させていただく、すばらしい機会をいただいたことに感謝します。

【文責:清原泰治 高知県立大学地域教育研究センター長 教授】
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