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week97 東日本大震災被災地におけるフィールドワーク


雄勝病院跡地にて殉職した医療従事者についての説明を聞くTEEP受講生

 岐阜薬科大学では、TEEP減災医療コースにおいて、大規模災害時において防ぎえる災害死(Preventable Death)を無くすために活動でき、特に医薬品供給に携わる医療人養成の役割を担う高度専門人材、すなわち「進化型実務家教員」を育成するための授業の一環として、大規模災害被災地でのフィールドワークを行っています。この科目では、災害時の医薬品供給の問題点を理解し大規模災害時に適切な薬学的ケアを実践するために必須な項目を実務家教員として学生に指導できることを目標としています。
 2024年1月20~21日の2日間、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻医療圏でのフィールドワークに4名のTEEP受講生が参加しました。この科目の到達目標は、「大規模災害の被災地視察において災害時および復興期における医療従事者の役割について現地の医療従事者らから聞き取った内容を整理して学生に伝えることができる。」であり、現地では、災害遺構を視察して被災された一般の方のお話を聞き、また、震災当時、石巻医療圏で活動された医療従事者とディスカッションしました。
さらに、同行した学生とも意見交換を行いました。

震災時の対応等をディスカッションする被災地の医療従事者とTEEP受講生

 現地の医療従事者の案内で、震災遺構である門脇小学校や大川小学校を訪れ、お子さんを亡くされた被災者の方の当時の状況や提言を聞き取り、病院全体が津波に飲まれた雄勝病院や医療拠点となった石巻赤十字病院、女川町地域医療センターを訪れて当時の状況を確認しました。2日目の午後には、震災当時に活動された医師、薬剤師、看護師らとともにディスカッションを行いました。行政の保健師の方のお話も伺う予定でしたが、能登地震への支援とのことで、急遽中止となり、看護師の方が代わりに当時の避難所での対応についてのお話もして下さいました。TEEP受講生は今回のフィールドワークについてレポートに纏め提出することになっています。
 岐阜薬科大学では、今後も地域医療の発展や大規模災害に対応できる医療人の育成に全力を傾注してまいりたいと考えております。

【文責:林秀樹 岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室 教授】
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