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week80 岐阜薬科大学における国際交流と実務家教員


フロリダ大学におけるアクティブラーニング授業への参加

 岐阜薬科大学では、在学生向けの海外研修プログラムを複数設置し、岐阜薬科大学と交友関係にある中国や米国の大学での短期研修を助成しています。コロナ禍において海外研修プログラムは中止していましたが、2023年度は、中国と米国での研修に学生を派遣し、米国フロリダ大学での研修には引率教員として実務家教員も参加しました。
 米国における臨床薬学教育は、日本での専門職大学院に相当するもので、殆どが一般大学を卒業後に入学する4年制のPharm.D.の学位を取得するコースとなっています。今回の研修では、岐阜薬科大学の学生は、フロリダ大学の授業の一部に参加し、また、自身の研究内容などに関するプレゼンテーションも実施しました。主にPharm.D.コースの第2学年と第3学年の授業に参加しましたが、授業はグループディスカッションを中心としたアクティブラーニング形式のものが多く、教育内容も日本の学部レベルの内容と比較すると高度なものでした。

米国の地域薬局の見学

 米国における薬学教育の授業内容は、実臨床における症例を検討して、薬物療法の提案を考えたり、実症例に併せて文献を読み込んでEBM(evidence-based medicine)を実施するための検討を行うなど、薬剤師としての臨床力を身に着けるために周到に準備された授業が実施されていました。また保険制度の異なる米国ならではの医療経済に関連する議論や我が国では未承認の医薬品を取り扱った授業もありました。研修に参加した学生は今後の大学生活における学習モチベーションが大きく向上したものと思われますが、引率に参加した実務家教員としても、授業形式など、日本での臨床教育の参考となるものも多くありました。
 このような学生の海外大学における研修などは、国内の多くの薬学部で実施されていますが、実務家教員も引率として参加することで、我が国の臨床薬学教育の発展に寄与できるものと考えます。

【文責:林秀樹 岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室 教授】
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