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ホーム >  コラム >  week77 草刈りで「課題解決先進県・高知」のプレーヤーになる!

week77 草刈りで「課題解決先進県・高知」のプレーヤーになる!


30分で終わらせるつもりが、1時間半もかかった現場。
彼岸花を残そうとしたが、そこまでの技はまだ身についていない。
【撮影:高知県立大学 清原泰治先生】

 刈払機を使った草刈り作業にはまっている。昨日は、耕作されていない棚田で8時から草刈り作業を始め、11時まで休憩を挟みながら約2時間草刈りをした。自宅に戻って、少し休憩して、今度は義理の母に頼まれた場所の草刈りをすませてきた。30分で終わると思っていたらとんでもない。何とここでも1時間半の草刈りに励んだ。
 2年前から、「草刈りの師匠」に師事して、安全で効率的な草刈りの考え方と方法を学んでいる。最初は「遊び」で習っていたのだが、いまは「本気」だ。草刈りの「正しいやり方」を、師匠が経験の中で編み出してきた知恵や技術を教えていただいている。そして、自宅周りの散歩道で支障のない範囲で「自習」をしている。ご近所の方にはずいぶん喜ばれた。
 できばえを見て、「それならお金がもらえますよ」と師匠に褒めていただいていたのだが、役場の職員さんにその話をしたら、「安全講習を受けていないと草刈りでお金をもらってはいけません」と言われた。もちろんまだ「謝礼」をいただいて草刈りをするつもりはないのだが、そう言われるのも悔しいので、ある建設機械メーカーの関連会社が実施している労働安全衛生法に基づく「刈払機取扱作業者安全衛生教育」の講習を受けて、修了証をいただいてきた。講習は「教科書」を解説しながら行われたが、もう既に知っていることや、あまり現場では役に立ちそうにないことがたくさん書いてあった。やはり経験に基づいた教えが、実践では役に立つことを実感した。
 私が草刈りに熱が入るようになったのは、中山間地域の高齢化が進み、道路や耕作放棄地の草刈りをしてくれる人がいなくなっているという話を聞いたからだ。「お金を払って草刈りをしてもらいたいのだが、請け負ってくれる人が見つからない」と言う。「草の刈り手がいない」のは、高知県の中山間地域の深刻な地域課題であり、その解決に役立つなら、私も「課題解決先進県・高知」のプレイヤーの1人になれると思った。
 そして、ついに昨日、義理の母から「御礼」をいただいてしまった。これでますます私の草刈熱は高まっていくことだろう。定年退職後、師匠のような「草刈り職人」になれれば本望である。

【文責:清原泰治 高知県立大学地域教育研究センター長 教授】
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