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week75 夏休み、皆がプログラミング写経体験


中学生対象 AIプログラミング教室

 TEEPのスクーリングでPythonプログラミングを体験していただきましたが、いかがでしたか?お経を唱えるように、ただひたすらにテキストに記載のプログラムをそのまま入力して実行していただきました。これは、仏教において経典を書写することを表す「写経」と呼ばれる、プログラミングでも有効な習得方法です。英語教育において、先生が話す英語を聞きながらそれを真似して発音する「シャドーイング」や聞いた英語を一語一句書き取る「ディクテーション」とも類似した方法といえます。「習うより慣れよ」「まずはやってみる」は、実務家教員を目指す皆様がこれまでに実務の中で経験されてきたことかもしれません。

 筆者は、TEEPとほぼ同じ内容の教室を、毎年夏休みに、中学生・高校生・大学院生・経営者を含む企業の方を対象に開講しています。二つの写真はそれぞれ、今年度の中学生対象のAIプログラミング教室、高校生向け研究室体験の様子になります。高校生の方は、単にPythonプログラミングを習うだけではなく、自らが作成したラジコン戦車に搭載されたカメラから画像を取得するプログラミングにも挑戦してもらいました。

高校生向け 研究室体験

 テキストに記載されたプログラムとはいえ、自分で入力したプログラムが実際に動いて結果が表示さることに、ちょっとした「喜び」を覚えたと思います。また、実行するとエラーになってしまっても、その原因を自力で見つけたり、講師やチューターに尋ねて解決したりして、エラー発見に時間がかかったほどに、うまく動くようになった「喜び」や「達成感」はひとしおだといえます。筆者がプログラミングを始めたのは1980年代の中学生の時でした。パソコンは高額であり、インターネットもまだ普及しておらず、書店にあるパソコン関連の雑誌も数誌しかない、プログラミングが身近でない時代でした。最初は頼れる情報や人がいない中でしたが、今に続くまでプログラムが動く「喜び」や「達成感」を味わってきました。現在では、書店にはプログラミングの雑誌や書籍があふれ、ちまたにはパソコン教室もあり、そして分からなことはWebで調べることもできるなど、プログラミングがかなり身近になってきました。TEEPでのスクーリングも含めて夏休みの一連のプログラミング教室において、どの世代の方も黙々と「写経」する姿に、「悟りの境地」にいるようにも感じました。プログラミングの「喜び」を感じる人が増えることは筆者にとっても大変嬉しいです。

【文責:渡邊裕司 名古屋市立大学大学院 理学研究科 教授】
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