グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


ホーム >  コラム >  week60 教育は土佐の山間と濃尾平野より

week60 教育は土佐の山間と濃尾平野より


撮影:高知県立大学 清原泰治先生

 「自由は土佐の山間より」は有名な言葉ですが、最近の朝のドラマを見る限り、日本の植物学も「土佐の山間より」といっても、あながち見当違いとまではいえないように思います。これらについて、高知県は先進的なところだったわけです。
 さてさて、いっきに時代は下りますが、高知県は教育も先進的なところがあります。たとえば、かつての高知短期大学では、(正確な年度は調べ切れていませんが)遅くとも2010年度以前に「高知学の一部の講義を高知短大『e-講座』として『おおがた学校』と連携してインターネットで配信する試みも行われてい」ました(『高知短期大学60年史―働くものの大学づくりをめざして』高知短期大学(2015年)138頁)。
 今日でこそ、講義をインターネット配信することは珍しいことではなくなっていますが、専任教員が10名半ば程度の小さな地方公立短期大学としては、とても進んだことをしていたといえると思います。また、高知短期大学は、弁護士等の実務家の方々も講義を担当されていました。まさに時代を先取りしていた短期大学なわけです。かくいう私も、かつて高知短期大学に奉職しておりまして、そのことを、今でも誇りに思っています。
 なお、残念ながら、現在、高知短期大学は学生募集を停止し、廃校となっておりますが、その機能は、高知県立大学に受け継がれていると聞いています。
 話は戻りますが、初めにふれたドラマの主人公に関わりのある高知県立牧野植物園と名古屋市立大学とは、連携協定を締結しています。さらに高知県立大学と名古屋市立大学も連携協定を締結しており、さらに中京大学、岐阜薬科大学も含めてTEEPコンソーシアムを形成しています。そして、余談ではありますが、日本国憲法の義務教育を初等教育から普通教育にまで延長するにあたっては、当時の愛知県の先生方の努力があったとも聞いています。
 それらのことを踏まえて、高知県立大学の経験や伝統を参考にしながらも、「教育」は「土佐の山間」よりではなく、「土佐の山間と濃尾平野」よりにしていけたらと思っております。

【文責:小林直三 名古屋市立大学大学院人間文化研究科 教授】
Page Top