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week59 「現場主義」の実務家教員の努力


 高知県立大学の公式webサイトに、現在4件の教員公募が掲載されています。文化学部1件と社会福祉学部3件です。社会福祉学部の公募には、実務に関わる応募条件があります。例えば、医療福祉分野の准教授または講師の募集には、「医療福祉分野における相談援助の実務経験を有する者」が応募条件になっています。採用後は、「医療福祉論」「福祉ソーシャルワーク演習」「ソーシャルワーク実習」「福祉研究法入門」などの授業科目を担当する実務家教員になります。
 「実務家教員」の公式の定義はないようですが、本学の考え方によれば、本学には84人の実務家教員が在籍しています。実に、全教員の68.8%になります。看護学部(50 /52人)や社会福祉学部(18/21人)、健康栄養学部(13/15人)は「ほとんどが実務家教員」と言っても過言ではありません。本学の教育において実務家教員は不可欠で重要な存在です。
 ところで、一つの疑問があります。採用後に大学教員となった実務家教員は、いったん「現場」を離れるわけです。そうすると、第一線の「現場」と実務家教員はどうやってつながっているのでしょうか。
 介護福祉と在宅介護を専門分野とする社会福祉学部の専任講師に聞いてみると、この教員はある市の訪問介護事業所の登録ヘルパーとなり、休日に実際に「現場」に出て介護に携わっているそうです。
 審議会の委員や専門職者の団体に所属して「現場」を知ることはよく聞くことです。それに加えて、この教員は勤務時間外に実際に「現場」で活動することで、専門分野に関わる現実を体感し、現実の課題を認識し、その経験を教育や研究に生かしているのです。
 ふと思い出したことがあります。社会福祉学部の学生が多く所属する立志社中のあるグループの考え方は「絶対現場主義」。常に地域のみなさまと共にある、地域のみなさまと同じ目線で活動することを旨としています。本学の実務家教員の姿勢が、学生たちの活動にも良い影響を与えているのではないでしょうか。

【文責:清原泰治(高知県立大学地域教育研究センター長 教授)】
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