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ホーム >  コラム >  week54 トルコ地震に対する医療支援と岐阜薬科大学実務家教員の派遣

week54 トルコ地震に対する医療支援と岐阜薬科大学実務家教員の派遣


現地の診療サイトにて(写真提供:JICA)

 日本時間2月6日午前10時17分(現地時間同日午前4時17分)、トルコ共和国の南東部カフラマンマラシュ県付近を震源とする地震により甚大な被害が発生しました。このたびの地震により被害を受けられた方に対しまして、心よりお見舞い申し上げますと共に、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
 地震発生直後から、日本政府はトルコ共和国政府からの要請に基づき、警察、消防などの隊員から成る国際緊急援助隊(JDR)・救助チームを派遣し、続いて、医療チームの派遣を決定しました。医療チームについては、2月10日から一次隊が派遣され、2月下旬には2次隊、3月上旬に3次隊が派遣されました。2月16日以降、被害が深刻なガジアンテップ県オーゼリ市に設営したテント型野外病院において、現地の医療機関とも連携しつつ、3次隊の撤収までの約1ケ月間に現地被災者及び住民等のべ約2,000人への診療活動を行ってきました。
 岐阜薬科大学の設置者である岐阜市は独立行政法人国際協力機構(JICA)と、国際緊急援助嘱託の委嘱等に関する覚書を締結しており、今回のトルコ地震に対するJDR・医療チーム1次隊の薬剤師として、実務家教員でありJDR医療チームに登録している筆者が派遣されました。筆者は、2月14日に出国し、現地で薬剤師として、診療サイトの設営、医薬品等の管理、医師の処方支援、診療サイトで使用する水の供給・衛生管理などの専門的な業務を行い、3月1日に帰国しました。
 我が国は、地震や台風などの自然災害が多く、これまでに豊富な経験と技術的なノウハウを蓄積してきました。こうした経験を途上国の災害救援に活かすことを目的として、国際緊急援助活動が始まりました。「国際緊急援助隊の派遣に関する法律(昭和62年法律第93号)」に基づき、救助チーム、医療チーム、専門家チーム、自衛隊部隊、感染症チームが組織されJICAに事務局が置かれています。医療チームは被災者の診療にあたるとともに、必要に応じて疾病の感染予防や蔓延防止のための活動を行います。メンバーは個人の意志で登録している医師、看護師、薬剤師、その他医療従事者から成る医療調整員の中から選ばれるのに加え、外務省職員やJICAの業務調整員から編成されます。医療チームはJDRの中で最も歴史が長く、派遣回数も最多です。(JICAホームページより改変・引用)
 岐阜薬科大学では、今回の経験を生かして、地域医療・災害医療に貢献できる薬剤師・薬学研究者の育成に努めてまいります。
岐阜薬科大学プレスリリース
日本語 https://www.gifu-pu.ac.jp/news/2023/04/post-128.html
英語 https://www.gifu-pu.ac.jp/english/category-news/

【文責:林秀樹 岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室 教授】
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