グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


ホーム >  コラム >  week50 卒業の季節に思うこと ~実務家教員の役割と責任~

week50 卒業の季節に思うこと ~実務家教員の役割と責任~


3月は卒業の季節です。筆者が主宰する研究室でも、3名に博士、7名に学士の学位が授与されました。薬学部では卒業研究は必須であり、多くの大学では3年生後期頃から研究室に配属され、3年間、教員から研究指導をうけて卒業論文として纏めます。実務家教員も基礎系教員と同様に、研究室の学生への研究指導において重要な役割を担っており、当研究室では常時2名の実務家教員が研究指導を行っています。また、研究室を運営するためには、お金がかかります。通常は、大学から配分される研究費だけで臨床研究を行うことは困難であり、国や民間などからの研究資金を調達することも実務家教員の重要な仕事です。研究資金を獲得するためには、常に研究業績を重ねる必要があります。
 一般的に大学の研究室では、朝から夜遅くまで、場合によっては24時間、教員や学生が研究を行っております。そのなかで、実務家教員は自らの実務経験を学生に伝えたり、研究のみではなく、種々の相談に乗ったり、就職のアドバイスを行ったり、多くの学生指導を行っております。卒業後に、卒業生が職場での悩みごと相談や、新たなチャレンジの報告など折に触れて研究室を訪問してくれるのも実務家教員の大きな喜びの一つです。また、医療系の学部では、卒業と同時期に国家試験があります。国家試験に関するアドバイスなども研究室で行ったりしますが、3月22日は、薬剤師国家試験の合格発表日です。当該学生のみならず教員一同、緊張の瞬間です。
 大学において実務家教員となるためには、実務経験以外にも、研究指導能力が必要であり、博士の学位取得は最低条件となります。当研究室では、今回、3名に博士の学位が授与されましたが、全員社会人であり、日中は病院に薬剤師として勤務しながら、業務に関するクリニカルクエスチョンを研究として纏めたり、夜間休日を利用して実験などを行い、その成果を国際誌に英語論文として発表してきました。当研究室では、社会人の方の大学院博士課程への入学を歓迎いたします。


【文責:林秀樹 岐阜薬科大学 地域医療実践薬学研究室 教授】
Page Top