week19 夏といえばカブトムシ!
餌台につかまる“ヘラクレスオオカブト”
夏といえばカブトムシ!
子どもの頃、親に買ってもらって育てていました(都会育ちのため、自分で捕まえたことはなかったのです)。昔は、スイカ(を食べた後の皮)や黒糖の蜜をエサにしていましたが、最近のカブトムシのエサといえば、昆虫用のゼリーが主流となっています。しかも、ゼリーも高タンパクや低糖を強調するもの等、色々と種類があります。昔は、高タンパクや低糖等、気にしていませんでしたが(だから、スイカだったのでしょう)、時代が異なると、色々と変わるものです。
色々と変わるといえば、私が子どもの頃は、外国のカブトムシを飼うことはできませんでしたが、今は、外国のカブトムシも種類によっては飼うことができます。子どもの頃は図鑑でしか見ることができなかった憧れのカブトムシ、たとえば、ヘラクレスオオカブトも飼うことができます。ただし、ヘラクレスオオカブト等は、暑さにも寒さにも弱いため、温度管理が大変だったりします。でも、きちんと飼育環境さえ整っていれば、成虫で1年近く生きています。ちなみに、成虫に成りたてのヘラクレスオオカブトの胸角は、じかに見ると漆塗りのような美しさです。
しかし、子どもの頃に憧れていたカブトムシを飼うことができるからといって、たくさんの人たちが多くの外国のカブトムシの購入に走ると、それを供給するために、乱獲が行われる可能性もあります。実際、そうした理由から、一部の昆虫は、野生での採取が禁止されていたりもします。一人ひとりの行動の影響は大きくなかったとしても、それが積み重なると、大きな影響となり、生物多様性にさえ影響を及ぼすわけです。
そのことを逆にいえば、一人ひとりの行動によって、社会や環境を改善できるということも意味しています。そして、一人ひとりの行動と社会全体を繋げて、持続可能な社会を構築していくことこそ、TEEPのソーシャルデザインなのだと考えています。そうしたソーシャルデザインを意識した教育が行われ、そこで学ぶ学生が増えたなら、きっと社会は良くなっていくのではないでしょうか。TEEPがその一助となればと願っています。
【文責:小林直三(名古屋市立大学大学院人間文化研究科 教授】
子どもの頃、親に買ってもらって育てていました(都会育ちのため、自分で捕まえたことはなかったのです)。昔は、スイカ(を食べた後の皮)や黒糖の蜜をエサにしていましたが、最近のカブトムシのエサといえば、昆虫用のゼリーが主流となっています。しかも、ゼリーも高タンパクや低糖を強調するもの等、色々と種類があります。昔は、高タンパクや低糖等、気にしていませんでしたが(だから、スイカだったのでしょう)、時代が異なると、色々と変わるものです。
色々と変わるといえば、私が子どもの頃は、外国のカブトムシを飼うことはできませんでしたが、今は、外国のカブトムシも種類によっては飼うことができます。子どもの頃は図鑑でしか見ることができなかった憧れのカブトムシ、たとえば、ヘラクレスオオカブトも飼うことができます。ただし、ヘラクレスオオカブト等は、暑さにも寒さにも弱いため、温度管理が大変だったりします。でも、きちんと飼育環境さえ整っていれば、成虫で1年近く生きています。ちなみに、成虫に成りたてのヘラクレスオオカブトの胸角は、じかに見ると漆塗りのような美しさです。
しかし、子どもの頃に憧れていたカブトムシを飼うことができるからといって、たくさんの人たちが多くの外国のカブトムシの購入に走ると、それを供給するために、乱獲が行われる可能性もあります。実際、そうした理由から、一部の昆虫は、野生での採取が禁止されていたりもします。一人ひとりの行動の影響は大きくなかったとしても、それが積み重なると、大きな影響となり、生物多様性にさえ影響を及ぼすわけです。
そのことを逆にいえば、一人ひとりの行動によって、社会や環境を改善できるということも意味しています。そして、一人ひとりの行動と社会全体を繋げて、持続可能な社会を構築していくことこそ、TEEPのソーシャルデザインなのだと考えています。そうしたソーシャルデザインを意識した教育が行われ、そこで学ぶ学生が増えたなら、きっと社会は良くなっていくのではないでしょうか。TEEPがその一助となればと願っています。
【文責:小林直三(名古屋市立大学大学院人間文化研究科 教授】