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week8 高知県立大学「立志社中」が今年もスタートしました


 高知県立大学は、専門教育の充実につながる学生たちの地域での学びを大切にしています。その一つが、「立志社中」です。坂本龍馬の「亀山社中」(後の「海援隊」)と板垣退助の「立志社」から名前を付けました。「立志社中」とは、「将来の目的を定めて、これを成し遂げようとする学生グループ」のことです。
 立志社中は、南裕子前学長の強い意向で、平成25年7月に始まりました。目標は三つあります。「地域の課題に高い関心を持った学生が、地域の方々と協働し取り組む。」「学生が地域の方々と一緒に活動することを通じて、学内だけは学べないことを学ぶ。」「大学と地域が共同して、よりよい地域づくり・人づくりにつながる仕組みをつくる。」

立志社中プロジェクト2021リーフレット

 立志社中に参加したい学生たちはグループを組んで地域課題を抱えているみなさんと相談し、学生たちで申請書を書き、審査会でプレゼンテーションを行い、審査委員会で計画を認められたグループには上限30万円の活動資金が大学から提供されます。6チーム・102人でスタートし、一時期は10チーム・400人を超える学生たちが参加して、高知県内の地域課題の解決に向けて活発に活動していました。
 立志社中は、1チームに必ず1名以上の教職員がついて指導にあたっています。その中にはもちろん実務家教員もいます。専門教育だけでなく、課外活動でも実務家教員は活躍しています。
 現在は、コロナ禍のため、現地で活動することが極めて難しい状況ですが、それでも、教職員の意見を聞きながらさまざまな工夫をして、地域の課題を地域の方々とチカラを合わせて解決する取り組みに参画しています。
 高知県は、前知事が「課題先進県」と呼ぶほどに、たくさんの地域課題を抱えています。人口減少、南海トラフ地震、中山間地域の過疎高齢化など、いずれも、全国に先行して地域課題になっている切実な課題です。しかし、前知事は、それら課題を解決することによって、「課題解決先進県」になることを強く訴えていました。本学は公立大学ですから、「県民大学」として県民と共に「課題解決先進県」を目指すのは使命です。しかし、それにとどまらず、その営みを学生たちの学びの機会にすることを企画しました。
 国公私立を含めて、多くの大学には学生たちの地域活動を支援するための同じような仕組みが作られています。その中でも特に注目される公立大学は、四文字の漢字で名前を付けています。滋賀県立大学の「近江楽座」、名古屋市立大学の「温知学要」、そして本学の「立志社中」というように、その地域が輝いていた時代の歴史にちなんで名前を付けています。
 今年度は、5月22日に審査会を実施し、立志社中がスタートしました。コロナ禍にあっても、志高き若き志士たちが、この国を変えるチャレンジに参画していきます。

【文責:清原泰治(高知県立大学地域教育研究センター長 教授) 】
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