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week4 高知県立大学における実務家教員の活躍


2022年2月21日、TEEPセミナーin Kochiを、オンラインで開催することができました。参加してくださったみなさま、ご協力いただいた名古屋市立大学と高知県立大学の教職員に感謝します。その際、私は「高知県立大学における実務家教員の活躍」というテーマで、本学の実務家教員の教育研究と社会連携活動についてご紹介する機会を得ました。
高知県立大学には令和3年度、76名の実務家教員が在籍していました。学部の内訳を見ると、看護学部46名、社会福祉学部20名、健康栄養学部5名というように、池キャンパスを中心に実務家教員が教育研究に従事していることがわかります。
高知県立大学は、「実学の大学」として、実践を大切にしながら学問を作ってきた歴史と伝統があります。全教員122名のうち76名の実務家教員がいるということは、「実学の大学」としては当然のことかもしれません。
高知県立大学における実務家教員の活躍について、社会福祉学部の教員を事例に見てみたいと思います。
令和3年度、社会福祉学部には23名の教員が在籍しておりましたが、そのうちの20名が実務家教員でした。社会福祉学部の使命は、「地域で活躍できる福祉・介護人材を育てる」ことです。社会経験が少ない若い学生たちに、自らが経験してきたことや見聞きしてきたことを活かして講義をすることができるので、学生たちは深く理解することができます。また、福祉や介護の現場を知っているから、理論と実践をつなぐことができます。この結果、本学の社会福祉学部卒業生の国家試験合格率は全国平均をはるかに上回っています。質の高い教育が行われていると評価できると思います。
学生指導においては、非常にきめ細かな学生への配慮が行き届いています。それは「すぐ動く」という社会福祉士のマインドが生きているからです。
研究面で見てみると、科研費の採択率が非常に高くなっています。実務家教員は、現実の福祉課題に対する“センサー”の感度が高く、さらに研究計画に仕上げていく段階では、チームワークが良く、協力体制のもとで申請書を書き上げているのです。
社会連携においては、地域教育研究センターが実施している公開講座「豊かな暮らしにつながる学び」や、健康長寿センターが行っている事業の中で、社会福祉学部の教員は積極的に講師を務め、生活に近い課題についてわかりやすく説明してくれています。また次世代の福祉介護の人材養成においても、高知県と協同して、「高知県キャリア教育推進事業」
を行っています。これは、不足している社会福祉人材を増やすために、高校生に福祉の魅力について伝える事業です。また様々な公開講座も学部独自に開催しており、例えば、「認知症を地域で支える」というようなテーマの講演も行っています。
このように本学における実務家教員は、教育、研究、社会連携活動、そして学生指導において、実に大きな実績を上げています。大学教育における実務家教員の必要性は高まっていると思います。

【文責:清原泰治(高知県立大学地域教育研究センター長 教授) 】
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