TEEP NEWS LETTER Vol.41
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学生たちに連れられて長い石段を登る。もちろん最後尾。「ちょっと待ってくれよ!」   まずは、その地域を理解する姿勢だと思いま秋谷す。学生が地域に入るときには、あくまでも地域のことについて勉強させていただいているという姿勢が重要です。   私も学生にあまり事前に先入観を抱かせず、松村現場で地域の人たちに寄り添い、生の声を聞くことを大事にさせています。   とにかく一生懸命に本気で地域のために取り組清原むことです。私はその地域で暮らす方々や風景をとことん好きになって、本当にその地域がよくなるにはどうすればいいかを自分なりに一生懸命考えたり、調べたりして、地元の方に熱く語ります。その思いが地域の方たちに伝わるのではないでしょうか。私の看板は、「生涯熱血」です!(笑) ときにはお酒も一緒に酌み交わしながら、同じ目線で考える。そうやって地域に何回も入ることが大事。これをどう一般化すればいいか分かりませんが、熱意としかいいようがないです。 地域の課題解決って、暴れている竜を押さえつける地域との信頼関係構築と指導者の現状   教員や学生が地域の人と信頼関係を築く上で松村大事にしているのはどんなことでしょうか。ようなもの。これという処方箋はありませんが、なんとかその竜を手なづけて、少しでも長くその地域が存在できるよう、一緒に考えていくしかありません。 一方で教員や学生が地域の方たちと違うのは、第三者の目を持てること。当事者ではない立場だからこそ、地域の方たちがやっていることが遠回りなのか、近道なのかなどを見分けられる。それに対してできるだけ多くの引き出しを自分の中に作って、地域の課題と結び付けていくことが大事なスキルといえるでしょう。   私自身は社会学をアプローチにしてスラムの研秋谷究をしていましたので、まずは地域の人たちとの良好な人間関係を構築するのが重要だと考えていました。域学共生では、まさにそれを実践しておられ、清原先生たちが地域の人たちと交流をはかりながら、一緒に課題に取り組んでいくというのが非常に素晴らしいアプローチの仕方だと思います。   本学の域学共生のエンジンは、私がセンター清原長を務める地域教育研究センターと平成22(2010)年に開設された「健康長寿センター」です。 参画する教員たちは皆、県立大学のミッションが何なのかを分かっています。学生を地域に連れて行って、リアルな社会の現実を見せ、自分たちの学んでいる学問と課題解決がどう結び付くかを考えさせる。そんな教育が得意なのは、社会をよく見て、社会にもまれてきた実務家教員です。これからの大学、特に公立大学では、社会との関係を大事にしてきた実務家教員の活躍の機会や場が広がっていくと思っています。TEEPはそうした人材を育てる重要な場の一つだと思います。   域学共生は高知県の中山間地域の実状に触れ秋谷てみると、しっくり来る理念です。例えば交通というテーマ一つを取ってみても、高齢者の免許返納の問題があり、返納するにしてもどうやったら日常の買い物に行けるのか、病院に行けるのかという問題が次々に出てきます。地域課題というのは知識として持っていても、実際に体験してみないと身をもって理解はできません。それを実体験したかどうかで、学生も将来域学共生に対する思いとこれからの指導者育成

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