TEEP NEWS LETTER Vol.36
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vol.36NewsLetteril : teep_office@sec ..-nagoya-cuac発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会  事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467発行日 2023年2月1日  連絡先 E-ma.jp8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1進化型実務家教員養成プログラム中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学   最後に「多様性を受容し他者と協働する経験の場」についてお聞かせください。   スポーツマーケティングの分野では、著名芦塚な選手によるジェンダーや人種差別の問題に対する積極的な発言が注目されています。こうした話題を講義の中に取り入れ、学生同士で議論してもらっています。 学生たちは友人の数や持っている情報は多いのですが、似た考え方だけで繋がっているところが多く、多様性という点では大きな偏りを感じます。そうした状況も鑑みつつ、スポーツ界で学生に考えてもらいたい話題を積極的に取り上げています。   本学では全学共通教育の中に学生たちが木下地域の人たちと協働して課題解決に取り組む「域学共生という」科目があり、多様性の受容という点で大きな実績を上げていると思っております。 グローバル化に関する授業でも、海外の活動や外国語を使った活動のみならず、私は日本で起きた薬害エイズ事件を取り上げています。国内や自分の身の回りに起こっていることもグローバル化の縮図だと捉えてもらうと理解しやすいのではないかと考えています。   医療分野で多様性というところでは、近年小林「チーム医療」が重視されています。「チーム医療」というと医療職同士の協働のみを考えがちですが、DXが進む中で、医療においても電子カルテ等、電子機器の使用は不可欠です。これらを用いるためには、システムの構築のためにSEさんと話してシステムを構築していくような機会も出てきますし、そのため知識も必要となってきます。教育プログラムに落とし込むところまではできていませんが、学生たちにも薬学以外の知識を習得する必要性を伝えています。   昨今のコロナ禍では、災害の渦中でチーム笹野医療を実現することの難しさを痛感しました。救急科のシミュレーション教育にも警察や行政の方をはじめさまざまな職種が集まりますが、その中でどのようにうまく連携していくかは日々試行錯誤しているところです。   学生たちが仲のいい仲間とだけ一緒にいた成田がる傾向が非常に強いことは気になっています。自分の思いを伝える表現力が弱いと感じますので、それを磨く訓練を行っています。グループワークではメンバーをできるだけシャッフルし、毎回違う人と接する機会を増やしています。 また、企業の方に大学に来ていただいたり、学生が企業を訪問したりすると、学生たちが普段は見せることのない積極性を見せる場面があり、こうした刺激を与えることも大切だと感じています。   学生たちには「共感」と「情動の効果的な管山田理」が他者を理解する上で欠かせないと話しています。「共感」とは他者の立場に自分の身を置いて、その人の見方から状況を想像することです。すると自分にとっては当然のことが他者には全く共有されていないことが分かったりします。「情動の効果的な管理」とは、自他の根底にある感情や行動の動機となっているものが何かを把握しようというものです。 また他者との協働について、学生たちは「リーダーシップ」とは社長や先生のみが発揮するものと考える傾向があります。実際には、チームでそれぞれの人が役割に応じて発揮できるものであり、役職や権限とは関係ありません。そう伝えると、多職種連携PBLでも、全員がリーダーシップを共有して、生き生きと学び合う場ができるのではと考えました。共感やリーダーシップなども概念ですね。   実践知を生かした人材育成とは、という大きな問いとそれを実現できる場所としての多職種連携PBL演習等の実践から見えてきた成果や課題について、実務家教員の皆様とコメンテーターの山田先生からお話をいただきました。今日の議論をこれからの人材育成のための環境作りにいかしていきたいと思っております。多様性を受容し他者と協働する経験の場づくり

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