モバイルファーマシー救急救命士養成教育の実習風景の内容をどのように伝えていくかを考える授業になっています。 医師、看護師、薬剤師など名古屋市立大学病服部院の第一線で活躍されている方から経験に基づくお話をしていただきます。私たちはこの数年で新型コロナウィルス感染症という未曾有の災害を経験しました。名古屋市立大学病院は最前線で対応しましたので、感染した妊婦さんに対応した産婦人科の先生や呼吸器内科の先生など、いろいろな方からお話をしていただきます。 また、現場での実践と併せて「論文をどう読むか」ということを学べる授業もあります。 岐阜薬科大学と連携した、モバイルファーマシ酒々井ーを活用する授業もあります。モバイルファーマシーとはトラック車両を改造して調剤など薬局の機能を搭載した車両で、これを使った演習や実習も多職種連携PBL演習として行います。モバイルファーマシーは、例えば2016年に発生した熊本地震などの災害現場でも実際に重要な役割を果たしています。こうした事例からも学べるプログラムとなっています。 減災・医療コースの受講生に身に付けてもらいたい知識やスキルにはどんなものがありますか。 やはり一つは減災や医療の専門知識です。災酒々井害弱者といわれる方や、特殊疾患を持つ患者様への対応などを含んでいます。 もう一つは、課題解決のスキルやコミュニケーション能力、あるいはリーダーシップです。先ほど笹野先生がリエゾンとおっしゃいましたが、異なる職種の間を繋ぐ人を育てたいと考えています。 TEEPには専門コースの前に基本コースがありますが、教育システムとしてよく考えられた内容です。受講生の実務家としてのコンピテンシーを可視化・言語化して、これからのキャリアにいかせるプログラムになっているところが素晴らしいです。さらに、多職種連携PBL(Project Based Learning)という課題解決型学習もあり、教育のプランニング力、ソーシャルデザイン力(社会の課題解決の立案など)も修得できます。 減災・医療コースでは、基本コースで身に付けた課題解決力をベースに、災害発生時から慢性期・復興期まで多職種と連携しながらケアできる、災害医療の専門知識を身に付けていただきます。減災や災害医療の現場でリーダーシップを発揮できる人になっていただきたいですね。 私も、やはりTEEPの一番の特長は減災や医療笹野に加えて実務家教員としての在り方を学ぶ基本コースがあることだと考えています。私自身が受講したいほどです。ご自身の専門性を基本コースで振り返り、教員として、あるいは職場のリーダーとしての指導力を身に付けた上で、専門コースを履修していただくと、より深い学びが得られると考えています。 コロナ禍というまさかの災害で医療の需要と供給のバランスが崩れてしまったとき、愛知県は比較的上手くこの混乱に対応できてきたと思います。それはまさに行政と医療従事者をつなぐリエゾンの役割が重要でした。この役割を果たすには、お互いに何をやっているかを知っていることが大切です。ですから、ぜひ減災・医療コースで医療従事者も行政の方も一緒に学んでいけたらと考えています。 多職種のチームでリーダーシップを発揮する上で、意識してもらいたい点やマインドはありますか? 減災を考える上では、医療職はもちろん行政酒々井機関、市役所や警察・消防、自衛隊との連携も考慮しなければなりません。また、通信や運輸といった企
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