TEEP NEWS LETTER Vol.31
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インターンシップを経験する高校生めです。アスクネットでは小学校から大学まで、どこでも授業のコーディネートができてやっと一人前といわれます。 実は入った当時は教育が一通り分かったら、3年くらいで辞めようと思っていました。しかし、アスクネットで教育に関する政策提言やアドボカシー(権利擁護・代弁)の活動をしていると、自分は議員になるよりも、教育現場にいて仕組みを変えて行く方が向いていると気づいたのです。それでアスクネットの仕事を続けて、2019年に代表理事に就任しました。   アスクネットの仕事は、社会課題を発見・分析し、解決のために政策提言したり、いろいろな人を巻き込んで大きな流れを作っていくという面もあるのですね。一方では目の前の学生や子どもたちに向き合っていくという面もあります。二つの活動のバランスをどう考えていらっしゃいますか。  私が入職した当時は、学校を卒業しても進路が定められずに何となくニートやフリーターになってしまう若者たちが多いということで、その解決策として学校でキャリア教育をしっかりやっていこう、と提案していました。社会人の方を学校に招いて授業をしていただくことが定着した後は、子どもたちがより主体的に学ぶ姿勢を持つには、子どもたちが校外でさまざまな経験をする方が効果的ではないかと考え、高校生インターンシップ事業を始めました。こちらも愛知県内で導入する学校が増えています。こうした学校の中と外をつなぐ活動の広がりは、まさにアスクネットが積み重ねてきたアドボカシー活動の成果だと考えています。 こうして活動の認知度が高まり、各学校や大学からの依頼が増えてきた今では、目の前の生徒たちに対してどんな授業づくりをしていくべきか、という活動に割く時間や労力が増えています。また、今は生活困窮世帯などの子どもたちと直接関わる学習支援事業も行っていますので、やはり一人ひとりの子どもに対してどう支援するかということに力点が移っています。総論的に教育政策をどう変えて行くか、という活動は、以前に比べれば少し弱くなっているかもしれません。 それでも「子ども家庭庁」創設の賛同団体となったり、「子どもの権利条約」を法律や条令にいかす活動のネットワークに入ったり、といった活動は続けています。また、アスクネットだけでサポートできる学校の数は限られていますので、キャリア教育コーディネーターの資格を取得された方が、自分の住む地域の学校を支援できる仕組み作りや、学校の先生自身が独自にキャリア教育の授業を開発・運営できるようになるための支援も始めています。   アスクネットさんが育成している「キャリア教育コーディネーター」とはどんな役割を果たす人で、その仕事の魅力はどんなところにあるのでしょうか。 キャリア教育を行いたい学校の先生と打ち合わせをして、講師の開拓から調整、当日の実施までをサポートする仕事です。社会人講師による職業講話のような授業もあれば、国際理解や環境問題を考えたり、ものづくりの体験を行うこともあります。 キャリア教育コーディネーターは教員とは全く違う役割を持っています。その目的は教育の「場」を作ることです。授業の場を作るために、先生方や企業の方、地域の方と連携すコーディネーターとして教育の「場」を作る

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