TEEP NEWS LETTER Vol.31
1/4

特定非営利活動法人アスクネット代表理事山本和男さん中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学vol.ー 学校と地域をつなぐ専門家「キャリア教育コーディネーター」に聞く ー社会と教育現場の両方を見る視点( 聞き手:名古屋市立大学学長補佐 大学院経済学研究科教授 TEEP実施委員長 鵜飼宏成 )   山本さんのこれまでのキャリアと非営利活動を職業として選択された背景をお聞かせいただけますか。 私が大学を卒業して最初に就職したのは、人材開発や人材育成に関わる企業です。人を支える仕事に魅力を感じ、また上場企業のマネジメントを学びたいと思い入社しました。仕事をするうちに、地元のた文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」めに働きたいと思うようになりました。私の出身地である東京都足立区は、貧困や健康寿命の短さ、子どもたちの学力の伸びづらさなど、いわゆる社会課題が山積する地域といわれていました。そんな地元を何とかしたくて、将来は足立区議会議員になろうと思うようになりました。 イギリスのブレア首相が「Education,Education,Education!」という演説で教育政策の重要性を説いていましたが、私も政治に関わるならば教育を知らなければならないと感じていました。そこで教育関係の仕事をしようと、転職先を探していた時に出会ったのがアスクネットです。 営利企業から非営利団体、NPOに入った最初の半年間は違和感を持つことばかりでした。普通の企業なら、収益の上がらない赤字の事業からはすぐに撤退しますよね。けれど、NPOは支援を求めている人が目の前にいれば、手を差し伸べ続けるものです。 また、企業と比べると職員に任される業務はとても多いです。規模が小さかったり、法人としての基盤が企業ほどは整っていなかったりすることがあるた 愛知県名古屋市の特定非営利活動法人アスクネットは「キャリア教育コーディネーター」として、20年以上にわたって学校教育の現場と企業や地域をつなぎ、多様な知識や価値観を伝えることを通じて、子どもたちの意欲や主体性を大きく育ててきました。その活動は実務家教員の可能性を考える上でも大いに参照したいモデルでもあります。代表理事の山本和男さんに、実務家と教育がつながる意義とその方法、そして社会人が再び学び直すことの価値についてお聞きしました。進化型実務家教員養成プログラムNews Letter31実務家教員ならではの経験が社会に還元される相乗効果に期待

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る