TEEP NEWS LETTER Vol.30
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vol.30NewsLetteril : teep_office@sec ..-nagoya-cuac発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会  事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467発行日 2022年8月1日  連絡先 E-ma.jp8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1進化型実務家教員養成プログラム TEEP実施委員会では、11月に「2022年度TEEPシンポジウム 及び 専門コースワークショップ」を計画しています。具体的な開催日時と申込方法については、Webサイトにて公開してまいります。https://teep-consortium.jp/   中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学対しても地域の皆さんに対しても「クライアント志向」であるために欠かせないことだと考えています。こうしたプロセスからも学生は何かを学び取ってくれるはずです。 一方で、私は学生に対しては、ある意味教員側の「片思い」でかまわないとも思っています。教員がこんなにやっているのだから、もっと学生も動けよ、などと考えていては、学生との関係もギクシャクしてしまいます。結果として面白いプロジェクトにはならないでしょう。その時は思うようにならなくても、きっと学生たちの研究や卒業後の仕事など、次につながる何かは得られるはずだと信じて進めています。   精力的に学生と地域をつなぐ教育活動をされているのですね。実務家教員を志された時の目標に先生自身が近づいていると感じられることはありますか。 所属学部では、実は私は実務家教員という位置づけではありません。これまでの研究実績なども評価していただき、研究者教員となっていますが、私自身はまさしく実務家教員を自認しています。 教育や社会貢献に加えて、大学教員として欠かせない「研究」に時間が割けていないことを現在の自分自身の課題として痛感しています。大学に入って数年経つと、どうしても現場から距離ができてしまう。だからこそ客観的に自身の経験から得たものを理論的に、具体的には査読論文にまとめることが実務家教員に求められていることなのだと思います。 私たちは教員として学生たちに、世の中をよく見て自分の考えや自分の世界を意識的に広げていくように、と指導しますよね。そう言っている自分自身の世界はどうだろうかとよく振り返ります。論文にも真摯に取り組み、学会などで発表していかなければならないという危機感を持っています。   大学の内外にネットワークを作っていくこと、そして学生を含めたステークホルダーと「クライアント志向」で関わっていくことなどをお話しいただきました。 他にも、実務家教員を目指す方にアドバイスがあればお聞かせください。 実務家教員というと、企業で成功した方がその経験を大学教育に還元していくというイメージを持たれていることが多いかもしれません。そういった側面も一部あるとは思うのですが、「実務家教員を増やし、大学はもっと学生が社会に出てすぐ活用できることを教えるべきだ」、「実務家教員が入って大学のカルチャーを変えて行くべきだ」という昨今の風潮には、私は違和感を持っています。 むしろ実務家教員には大学が培ってきたカルチャーを知り、尊重して、その中で自身の経験や知識をいかせる領域を広げていく、新たに作っていくというマインドが必要だと思います。「自分が、自分が」という主張を押し出すだけでは上手くいきません。 また、社会貢献や産学連携が大学の使命として課されているのと同時に、特に国公立大学では公的な機関として、利益相反や利益誘導と捉えかねられない行動や発言には特に注意しなければなりません。こちらも実務家教員としてのバランス感覚や柔軟性が問われるところだと思います。 実務家教員にとって、何よりも大学の教員や事務職員の皆さんとも、学生や地域の方々とも同じ目線でやっていくことが重要だと思っています。私はそれを「クライアント志向」という言葉で表しています。ボランティア活動も「先生もやるんですか?」と言われることもありますが、実務家だからこそ、地域の皆さんと一緒に汗をかき、共に悩み考えていくことができるのではないでしょうか。大学の中に専門性をいかせる領域を見出す

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