TEEP NEWS LETTER Vol.29
1/4

● 名古屋市立大学学長補佐 大学院経済学研究科教授鵜飼宏成 TEEP実施委員長関東学院大学法学部 地域創生学科教授木村 乃さんだいインタビュアー中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学vol.   先生は大学教員になられる前に、シンクタンク研究員、自治体の政策経営部長、コンサルティング会社の経営者とさまざまな経験をされてきました。これまでのキャリアと、現在の実務家教員としてのキャリアにどのような連続性があるかをお聞かせいただけますか。文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」 実務家教員を目指す方の中には、仕事経験を相対化し、自身の実務知を言語化することに苦労されている方が多いようです。関東学院大学の木村乃先生は、実務家教員としての自らの強みを「スーパーゼネラリスト」であることと定義されています。実務家教員だからこそできる教育や研究、組織改革の可能性についてお聞きしました。 私は大学の法学部を卒業してすぐに野村総合研究所に就職し、5年ほど自治体の住宅計画や総合計画、港湾計画などの立案に関わりました。モデル分析とかデータ分析といった方法を用いて計画を作るのですが、学部卒ということもあってこの分野の専門性を持っておらず、修士卒の同期などと比べて少し引け目を感じていたところがありました。 同じ頃、日本でNPOという組織が話題になり始めていました。縁あってロサンゼルスにNPOの調査に行かせてもらったり、できたばかりの日本NPOセンターの方と交流したりする機会がありました。そこで仕事で関わってきた行政による計画づくりやまちづくりとは違う方法があることに気づきました。 行政の計画づくりは緻密なデータ分析で「正解」を示していくようなイメージです。しかしNPOの皆さんは、地域で実際に起こっていることや、住民の実感に基づく「正解がない中で、それでも“使える”答え」を探っていくような動き方をしていました。(文・鵜飼宏成)教育にいきる地域住民との対話の経験実務家教員インタビュー ⑪進化型実務家教員への扉進化型実務家教員養成プログラムNews Letter29“スーパーゼネラリスト”の強みをいかして大学教育の変革を

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る