TEEP NEWS LETTER Vol.25
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スタートラインにつけたかなと感じました。 スポーツの発展には、プロスポーツやトップアスリートの研究が不可欠です。アメリカではメジャーリーグのコーチやトレーナーが論文を書き、競技力の発展に貢献しています。日本にはまだプロスポーツやエリートアスリートの身体・体力特性についての研究はほとんどありません。私たち実務家教員は、現場と研究の橋渡しの役割を求められていると感じます。   研究領域は縦割りですが、ビジネスの現場は縦割りではありません。「学際的」であることが当然です。実務家教員に求められるのは、学問領域の縦と横を結びつける、ビジネスが理解できる人です。ですから、実務家教員の関わる学問分野はどうしても広い領域になります。 実務家教員が社会で実践をしながら、Win-Winなものを作っていくことが大事です。大学にとっても、企業にとっても、学生にとっても学びになり、発展につながる知見を得られる関係やプロジェクトを作ることです。実務も教育も研究も社会貢献も統合するイメージです。    社会的に必要なところ、求められているところで実践の場をつくり、中でも、社会の課題解決につながっていくような経験を積極的に積まれて、経験の幅を広げると同時に深めていらっしゃる、そんな実務家教員の実態が垣間見られますね。   私は実務家教員として働くことは、得がたい貴重な経験だと思っています。実務家として、大学の教員としての役割も持つからこそ得られる魅力を、皆さんはどこに感じておられますか。   大学教員の職があると、何かやりたいときに外部の方がお話を聞いてくれるのは大きいと思っています。やりたいことを形にするため地域に働きかけるときに、まずはその場自体が与えられるように思います。   若い研修医の先生が立派に育ってくれると、とてもうれしいというのはあります。大学ならではの活動の場も与えられます。いろいろなところで講演させていただいたり、海外留学の機会もいただけました。   私も実務家教員の一人として少しお話しさせていただきます。 私の専門は起業家教育や、社会課題の解決をビジネスの手法で行う人材を育成することです。ですから実践の場づくりが非常に重要です。先生方がおっしゃられたように、実践の場を自ら生み出し、教育指導方法としては「教え過ぎない」ことを心掛けてきました。 近年、学生時代に体験したアントレプレナーシップ教育の学びをいかして起業する人間が増えてきました。起業した元・学生たちが大学に来て、今度は後輩たちを教えている。社会との循環が生まれてきたのです。以前は、本当にこれが大学教育なのか、どのような研究スタイルが望ましいのかと悩み続けておりました。しかし次代を担う人材を育成するという視点に立てば、我々も非常に大きな役割を果たせます。育成の現場に実践の知を相当数入れられることはストロングポイントになります。 ストロングポイントを体系化していくというところは、今後研究・教育の両面で、共同して成果を出していく必要があるところです。今回は問題提起にとどめまして、近い将来、また同じメンバーで、こうなったという成果をもって報告できる場を作りたいと思います。今永鵜飼鵜飼実務家教員として働く魅力とは吉住笹野今永発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会  事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1発行日 2022年3月1日  連絡先 E-mail : teep_oce@sec.nagoya-cu.ac.jp進化型実務家教員養成プログラムvol.News LetterTEEP25中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学 2022年3月16日(水)に「TEEP 2021年度 第2回ワークショップ」を開催します。テーマは「育成と採用の視点から実務家教員を考える」です。申込方法など詳細については、Webサイトにてご案内させていただきます。https://teep-consortium.jp/

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