「アクティブ・ラーニング」は、Project Based Learning(課題解決型学習)やProblem Based Learning(問題解決型学習)、そのほかの協同学習を含んだ概念です。今回は、さまざまなアクティブ・ラーニングに共通する基礎の部分を解説した上で、TEEPの基本コースで取り組む多職種連携Project Based Learning(以下、PBL)の設計のポイントをお話しします。・ ・ ・ ・ ・ ・ 「アクティブ・ラーニング」について、2012年の中央教育審議会答申に書かれた定義にはこうあります。 注目すべきは「学修者の能動的な学修への参加を“取り入れた”教授・学習法の総称」という点です。アクティブ・ラーニングに講義型の授業があってもいいのです。しかしその後に「グループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等」と続くので「グループ・ワークをすればアクティブ・ラーニングなのか」と誤解してしまうのでしょう。ところが、こうした授業を受けた学生からは、こんな感想を聞くことが少なくありません。 「グループ・ワークは盛り上がって楽しかった。でも、いったい何を学んだんだろう?」 面白いけれど、何の勉強をしたのかが学生には分からない。こうした事態が、アクティブ・ラーニング(文・TEEP実施委員長/名古屋市立大学 鵜飼宏成) 「進化型実務家教員への基礎シリーズ」として基本コースで学修する内容の一部をご紹介します。第二回は名古屋市立大学高等教育院教授の山田勉先生による「アクティブ・ラーニングの基礎 -Project Based Learningの設計ポイント-」です。「グループ・ワーク」=「アクティブ・ラーニング」ではないアクティブ・ラーニング 教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。(中央教育審議会、2021、p37)下線引用者Check進化型実務家教員への基礎② 山田 勉名古屋市立大学高等教育院 教授アクティブ・ラーニングの基礎 ーProject Based Learning の設計ポイントー文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」進化型実務家教員養成プログラムvol.News Letter中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学21
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