「人的資源管理論」などの教科書をそのまま教えても、学生にとっては面白くありません。学生にとって意味のある内容がいいと思い、テキストは全部自前で用意しています。これも最初は苦労しましたが、企業の幹部相手に話をした際のパワーポイント資料が1万枚以上あって、最初は、企業幹部と大学生では知識と経験のレベルが違うので、とても使えないと考えていましたが、中には大学の授業で使えるものが結構あると分かってから、少し楽になりました。 学生は、これから雇用される立場です。企業側における「経営学」でなく、働く人の立場における「従業学」を確立するなど、大学も発想を変えていくべきかもしれません。鵜飼 実務家教員はどんな視点で自分を見つめ直したらよいでしょうか。 一つの会社の実務経験しかなかったり、特定の部門しか知らなかったりするのでは、視野が狭いと思います。例えば、経営コンサルタントも、一つのことだけでなく、広く経営全体を知っている人でなければ、経営コンサルタントとは言えません。医者は内科医もいれば外科医もいますが、医学の基本は同じはずです。大学教員もそれと同じで「経営学」の領域をとってみても戦略論もあれば組織論、マーケティングや会計もあります。しかし、その特定の領域を知っているだけでは大学生相手には教えにくいと思います。経験と読書量との両方が大事になってくると思います。 実務家教員を採用する側も押さえなければならないスペックみたいなものを示した方がいいのではないでしょうか。例えば、自著は書いていた方がいいとか、学術論文も、せめて一本は書いていてほしい、非常勤講師として15回の授業を回した経験があるなどです。 TEEPでの実務領域診断カルテの役割は。 カルテのような基準で「道標」を示すことになります。押さえるべきところが整理されていて、私たちも使うことができます。道標はできているので、求められるスペックを示してあげ、その達成を支援するためのメンター的な役割の人も必要だと思います。 カルテを教科書にしながら、受け入れ側の教育もしていかなければなりませんね。 若手社員の離職率が低い会社は、メンター制度がしっかりしています。成功している会社は、メンターの研修を丁寧にやっています。実務家教員については、企業におけるメンターというより、行きたいところに連れて行ってくれる人という意味でコーチに近いかもしれません。実務家教員になるという目標に、一歩でも近づけてくれるコーチ役も育てていく必要があるように思います。素質のある人が、コーチ役の人と共に真剣に取り組んで、自己研鑽も含めて立派な実務家教員になってほしいと願っています。 本日は貴重なお話、ありがとうございました。鵜飼鵜飼鵜飼鵜飼斎藤斎藤斎藤2008年4月 セントルイスの「エドワード・ジョーンズ」本社訪問「カルテ」は目標への道標発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会 事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1発行日 2021年9月1日 連絡先 E-mail : teep_oce@sec.nagoya-cu.ac.jp進化型実務家教員養成プログラム19vol.News Letter中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学 11月18日(木)に「第2回TEEPシンポジウム」を開催いたします。具体的な開催方法については、Webサイトにてご案内させていただきます。https://teep-consortium.jp/
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