TEEP NEWS LETTER Vol.19
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ています。対照的に日本企業は従業員アンケートの実施に抵抗を感じています。アンケートの後の対策が打てないという理由が多いようです。ということは、従業員がどう考えているか、どう思っているかという事実を見ようとしないということです。下手にやらない方がいいという雰囲気にもなっているようで、人事担当役員がGreat Place to Workの従業員調査をやりたいと考えても、役員会などでつぶされてしまうことがありました。これではダメだと、啓蒙活動からやらなければと思いました。この調査モデルの詳細は、当時の日本では私がいちばんよく知っていましたので、その専門家になろうと決め、2008年に独立して「働きがいのある会社研究所」(2010年から「組織と働きがい研究所」に社名変更)を設立しました。   大学に関わるようになったきっかけは。   2000年頃に専門誌で海外調査団の活動を10回の連載で書く機会があり、書く楽しさを知りました。その後に本の執筆を頼まれたときも、苦も無く書けました。2007年から、いくつかの大学から非常勤講師を頼まれてやっているうちに、教える喜びを感じるようになりました。やがて自分のしてきたことを、きちんとした論文にまとめたいという思いも出てきて、2010年に法政大学大学院政策創造研究科に社会人として入りました。研究科の発足時にゲストスピーカーで話をするという縁もあったからです。周りも向学心の高い社会人ばかりで大変楽しい経験でした。 その大学院で修士を取り、さらにいくつかの大学で非常勤講師の経験をしながら、並行してやっていた中国・四川省でのコンサルティングの仕事などに一段落が付いたところで現在の淑徳大学の公募の情報をいただき、「受けてみたら」というおすすめもあり、急いで書類を作成して応募しました。運よく採用となり、2017年4月から着任し今に至っています。   実務家教員としてのやりがいは何ですか。   私に任されたのは、学生が大学から社会に出ていくための「つなぎ」の教育だと思っていました。学問うんぬんよりは、社会人としての基礎力を身に付けること。だから私の授業は遅刻や私語に対して非常に厳しいです。社会に出て通用する人を一人でも多く育てなければと思っています。大学と企業の結びつきについて、高いやりがいを感じています。   実務の経験はどう生かされていますか。   そこは正直、生かし切れているとはいえません。今の大学生と企業とのギャップが大きすぎるからです。しかし、学生が最も興味のあるものの一つは「ディズニーランド」なので、オリエンタルランドの部長をされていた方などをゲストでお呼びすると喜ばれます。そういうネットワークを持っていることは強みと言えますが、そういう例はごく一部です。企業や社会の現実をよく知っているので、私のところへ学生は結構相談に来ますよ。テキストは自前で用意2008年4月 GPTW年次カンファレンス パーティ会場2019年6月 授業『企業経営研究』の一環で学生を連れて「オリックス不動産」本社に訪問斎藤斎藤斎藤鵜飼鵜飼鵜飼

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