大学で大学関係者に講義や研修会をしたところ、特別支援学校で実技を披露したり、大学で討論会をするなどに発展しました。多くの人から取り組みたいという声が上がり、以後はボランティア活動として年に数回、講演を任されました。 ベトナムで一番初めに見た子どもはバオ君というのですが、知的障害で自閉症を伴い、他者と目を合わせなかったり、指をくわえたりしていました。しかし、バオ君にもストレスリダクション法を施すと、すぐに目を合わせてくれるようになり、半年後には雰囲気がガラッと変わっていて、ボールを受け渡したり、手を繋いだりできるようになっていました。 これがきっかけとなり、共同研究が進んでいったのですね。JICAのプログラムとしても採用されたのでしたね。 はい、2013年には愛知学院大学とダナン大学が学術交流協定に調印。16年に「ベトナム動作法研究会」が発足し、JICAの草の根技術協力事業にも採用されました。 現地で30人を選抜し、受益者は300人以上という、予算1000万円のプロジェクトです。テキストは翻訳では意味がなく、ベトナムの人が自分たちでテキストを作ることを目指しました。指導者の育成を徹底して行い、現地でも諸施設へ広がっていきました。しかし、2020年にはコロナ禍で訪越と来日がストップ。リモートを活用するなどして事業を半年間延長し、現地の人たちがワークショップを開いて12月にはテキストを完成させました。受益者は700人以上と、目標を大きく上回りました。第一ステージは終了し、基盤はできたので、さらに第二ステージへ継続・持続できるように画策しています。JICA側もベトナム側も期待しています。 これは現地の人が主体的に関わる「現地化」をしたのが大きいですね。まさに実務家が行う社会的なソリューションであり、実装だといえます。先生のおっしゃる戦略がないと、実装がうまくいかないのでしょうね。 私はヘビが嫌いだったという例も出しましたが、それはいわば偏見でした。実際に行ってみないと偏見は取れません。思っていることと事実は違う。現実を直視するとはそういうことです。自分を変えることで、何かを変える。そうした自発性の感覚があるのとないのとで、やれることはまったく違ったものになるでしょう。 実務家教員自らがその思想が分かっていて、行動に移せるかどうかがカギということですね。本日は貴重なお話、ありがとうございました。吉川吉川鵜飼鵜飼鵜飼ストレスリダクション法を身近に! ウェルライフ推進協会の普及活動の一コマ発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会 事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1発行日 2021年8月1日 連絡先 E-mail : teep_oce@sec.nagoya-cu.ac.jp進化型実務家教員養成プログラム18vol.News Letter中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学 11月には「第2回TEEPシンポジウム」を計画しています。具体的な開催日時と方法については、Webサイトにてご案内させていただきます。https://teep-consortium.jp/
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