私の専門は大学教育学、質保証・大学評価論です。能力論・学習論・評価論に関する知見を基礎に、大学と評価機関の双方の立場から高等教育の質保証を実現するための研究と実践を行っています。その一環として「令和の大学」を取り巻く法令や政策の動向について、分かりやすくお伝えしたいと思います。 図1は、立教大学出身の加藤瑞貴君が大学生時代に自身のブログで発表したものです。ゼミで「自我の相対化」について論じたら、先生に褒められたので書いたものだそうです。私も非常に共感しましたので、「行き先を見つける」というタイトルを付けて紹介します。 加藤君は「僕らは『複数の社会』を渡り歩いて生きているんじゃない?」と書いています。そして「人はたとえ一人の人間であっても複数のキャラクターを持って生活している」ため、「絶対的な自分」というものがなく、本当の自分を見失ってしまうと「自分ではなく、単なる社会の一部」だと分析しています。今の社会のあり方をうまく説明していると思います。 加藤君の図に、あえて私が書き加えると図2のようになります。TEEPに置き換えると、実務家教員は企業などから大学という次の社会に飛び移ろうとしているわけです。 従来の組織では「柔軟性」を発揮して適応されていた部分もあれば、組織自体を変えていかれた経験もあったでしょう。さらに「移動性」というステップも考えられます。空間的に働く場所が違う、あるいは(文・TEEP実施委員長/名古屋市立大学 鵜飼宏成) 進化型実務家教員養成プログラム(TEEP)の進捗をお伝えする本ニューズレターは、今回から「進化型実務家教員への基礎シリーズ」として基本コースで学修する内容の一部をご紹介します。第一回は名古屋市立大学高等教育院教授の山田勉先生による「令和の大学入門 -質保証から経営まで-」です。実務家教員の行き先と動き方進化型実務家教員への基礎① 令和の大学入門 ー質保証から経営までー山田 勉名古屋市立大学高等教育院 教授図1加藤瑞貴(2020).「僕らは「複数の社会」を渡り歩いて生きているんじゃない?って話」 (https://gadget-touch.info/2020/10/08/relativization-myself/) (2021年1月7日アクセス).文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」進化型実務家教員養成プログラム17vol.News Letter中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学
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