初回は、ホテリエとしてマネジメントにも関わられたご経験をお持ちの吉田先生にご登場願いました。まずは、ホテル業で求められる能力についてお聞かせ願えますか? ホテルのようなサービス業、ホスピタリティー業は、従業員が現場で直接、顧客との接点を持ちます。現場では常に従業員が課題を発見し、その解決に向けて自ら最適な対応を考え、新たなサービスを創造していきます。「答えは現場にある」という訳です。いくら支配人や社長に上り詰めても、現場の声を重視する姿勢が必要です。その意味で、現場経験を積んでいないと裏方もマネジメントもできないといえます。 そうしたホテリエに求められる能力を、私は「コミュニケーション能力」「情報収集能力」「ゲストの喜びを自らの喜びとして捉えられる心(マインドセット)」という3点に集約しています。 「進化型実務家教員養成プログラム」では、実務経験を有する人たちの「教育力」を高め、新しい社会像を捉える視点を身に付けることで「新領域(新学術領域)での解決力」を養成することを目指しています。 今号から、実務家教員として現在活躍されていらっしゃる方々をロールモデルとして紹介し、これまでの経験や教育に関わる思いについて語っていただきます。実務経験を積み重ね能力を高めるなかで、どのような関心や課題意識を持ち、次なるステージで高等教育の場への接点が見いだされていったのか。学びの過程はどのようなものだったのか。 「若い人たちに、人と関わるサービス業やホスピタリティー業の魅力、その可能性を伝え続けたい」、と大学教育のなかでの人材育成を目指し、キャリアチェンジされた実務家教員にインタビューを行いました。進化型実務家教員への扉(文・小木曽早苗)「答えは現場にある」ホテル業鵜飼吉田吉田雅也氏淑徳大学 経営学部 観光経営学科 准教授(元ホテリエ)実務家教員インタビュー ①インタビュアー●名古屋市立大学 高等教育院 特任助教小木曽早苗●名古屋市立大学大学院 経済学研究科 教授鵜飼宏成文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」進化型実務家教員養成プログラム9vol.News Letter中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学
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