TEEP NEWS LETTER Vol.07
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三澤哲也 教授渡邊裕司 准教授や安全確保に役立てる研究にも興味を持っています。   私は統計数学を専攻し、現在は経済分野で投資一般に関わるリスクを専門としています。自分で数理モデルを立てて有用性を検証する一方、データそのものから法則性を見出すこともしていました。それが今で言うところのDSになっていたかもしれません。 経済のマーケティングでも今やDSは当たり前です。サイエンスと書いてあるから理系っぽく思われるかもしれませんが、経済や経営分野にも有効に使われています。   当初のDSは数理統計が主導していましたが、どうしても社会現象や課題の評価で留まっていたところもありました。今はさまざまなものからデータが転送され、ビッグデータとして活用できます。さらにAIを活用すると、SDGsなど新しい課題解決にまで踏み込むことを可能にしています。   工学部では、とにかくパフォーマンスを上げようということが主でした。すると、現実世界でどういう課題があるかがよく分からない。今後はますます異分野の人とコミュニケーションを取り、技術面の話だけではなく、コラボレーションしながらアプローチの仕方をすり合わせていくことが重要になっていくでしょう。   今後の発展を考えると、DSはますます基本的なリテラシーとして学ぶべきツールになっていきそうです。ゆえに、このコースとしても実務家教員に学んでもらう意義があるといえるでしょう。 プログラムの前半で学んでもらうのは、統計系の分野。複数の多種多様なデータ間の関係性を明示的に求める方法としての回帰分析や、経済経営分野でよく用いられる多変量解析の基礎などです。回帰分析の基本的な考え方の概観から、医療分野でも用いられるロジスティック回帰などにも触れていきます。 講義はeラーニング方式で座学を予定していますが、具体的なデータを動かしてもらう実践も重要です。簡単な演習でデータ分析を身近に感じてもらいたい。   私の分野の情報学では、プログラミングが避けて通れません。Python(パイソン)というプログラミング言語は、中高生にも教えられるほど比較的やさしいものです。その入門から、実践としてプログラムを入力してもらうことも考えています。   通常の大学の講義だと厳密に理論から入りますが、実データを扱うときに使い方を間違ってしまうとか、そもそも何を使ったらいいのか分からないことも。実際は欠損値などがあって、きれいな理論通りにいくものばかりではありません。そこを実践的な演習で、経験として学んでいくことは重要です。   実務家教員を目指す社会人に、DSを学ぶ意義やメッセージについてお願いします。   実務家教員が育てる人材は、これからSociety5.0の中で仕事をしていく人たちです。DSは切り離すことができません。今後の社会でDSがどれだけ必要になるかを、まずは理解分野横断的なリテラシーとしてのDS現場を知る実務家教員こそDSの学びが活きる渡邊渡邊横山横山横山三澤三澤三澤

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