DSは、データを統計学や数学、機械学習やAIなどの分野から横断的に活用、分析して社会に有益な新たな知見を引き出そうとする学問です。中でも重要な3つの柱は統計系、情報系、データ対象分野の知識で、それらの交差するところにDSがあるというイメージです。 DSという言葉自体は2010年ぐらいから言われ始め、日本でも2013年ごろに統計学ブームが起こり注目を集めました。政府レベルでは2016年の「第5期科学技術基本計画」をはじめ、矢継ぎ早に打ち出されたデジタル戦略計画でDSやその人材育成が急務であるとされました。 名古屋市でも「ICT活用に関する基本方針2019-2023」が策定され、ビッグデータやAI活用の重要性が謳われています。そうした流れから、本学においてもDS学部の可能性について模索されています。事象としては、まさに世はDSブームと言えますが、その背景には何があるのでしょうか。 Society5.0は、仮想空間であるサイバー空間と現実空間であるフィジカル空間をつなげ、持続 AI※に代表される近年の急速なICT※、IoT※の発展、情報ネットワークの普及と拡大、それらとリンクして進むビッグデータの出現を背景に、データ・サイエンス(以下DS)という学問分野への関心が高まっています。こうした背景から、TEEP基本コース科目「持続可能な社会構築論」の中の柱の1つである「情報科学基礎」においてもDSの入門的な内容を紹介する予定です。 本号では、注目を集めるDSやDSを学ぶ意義を、当該コース担当教員ならびに名古屋市立大学においてDSとかかわりの深い教員との鼎談で紹介します。鼎談オブザーバー● 名古屋市立大学 副学長 大学院芸術工学研究科 教授● 名古屋市立大学 大学院経済学研究科 教授● 名古屋市立大学 大学院理学研究科 准教授横山清子三澤哲也渡邊裕司● 名古屋市立大学 高等教育院 特任助教小木曽早苗(文・三澤哲也)ていだんコロナ禍でも浮かび上がるDSの重要性三澤横山文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」進化型実務家教員養成プログラム7 vol.News Letter 中核校:名古屋市立大学連携校:岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学
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