大学は本来、もっと多様な場だと思っています。これからは18歳から22歳という層だけでなく、幅広い年齢層や国籍、民族、性といった個々人がもつ特性を尊重しなければなりません。 さまざまな人が集い、学び合う場として、また生活する場として、大学の在り方をデザインしていく必要があります。これまで個別のケースに対応していれば済んだことでも、これからは大学全体としてインクルーシブな文化を体現できるようにしていくことが求められているように思います。 「みんな同じ」という画一的な教育文化がある小中高の学校教育にも共通しますが、教育環境と社会との乖離や分断をつくらないようにしていかなければなりません。 これからの大学には、社会との関わり方を、授業だけではなく、いろいろな形で取り入れていくことが求められます。その一環として、実務家教員の養成は意味がありますが、心配なのはミスマッチをどう防ぐか。このプログラムを受けにくる社会人がイメージしているものと、我々の提供するものとのズレをいかになくしていくか。 今の若者は、見かけはいい子でも、中身はものすごく重いものを抱えている子も多い。そうしたギャップにも戸惑ってしまう人がいるかもしれません。 私は若い人とのギャップを面白がりますけどね。“宇宙人”と出会うみたいに。今は「電話をする」んじゃなくて「通話する」と言うんだ、なんて。新しい感覚に触れるワクワク感みたいなものを持ってもらいたい。 そうした「違い」が前提になる他者観があること、大切だと思います。大学自体が「違い」があることを経験し、さまざまな価値に出会える場となっていくことが求められていると思います。 TEEPは今の「閉じた」状態を刺激する役目を持っているように感じます。ネット配信の講義科目、土日祝日や夜間開講を原則とする実習系科目など工夫して取り入れます。開講までにさらに予行練習や検証の時間を取って、よりよいコースにできれば。実際のコースが始まるのを楽しみにしています。本日はありがとうございました。大学もより多様な場に変化を小林曽我曽我伊藤曽我かい り発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会 事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1発行日 2020年8月1日 連絡先 E-mail : teep_oce@sec.nagoya-cu.ac.jp進化型実務家教員養成プログラム6vol.News Letter名古屋市立大学 岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学進化型実務家教員養成プログラムWebサイトhttps://teep-consortium.jp/
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