私が2層の中に入ったら、学生が何を知っていて、何を知らないのかを探し始めるでしょう。今は便利だから、高校生も小学生も、何かに興味を持ったらすぐに調べられる。問題はその興味関心、アテンションを与えられるかどうか。実務家教員は、そこでの可能性が大きい。専門以外の引き出しが多いし、学生がおしゃべりしていたら「おしゃべりやめろ」と言える。「共育」関係を持続する叱り方、これがアカデミック教員の人はなかなか言えないらしいです。 演習でも学生を叱っていたら、後で「なぜあの時叱りつけたんですか」と聞き合ったり、逆に「なぜ放置したんですか」と確かめ合ったりしていくと、実務家教員の養成になりそうです。 1層同士が教育とは何かを考えること、そして、振り返ることが大きなポイントになると思います。つまり、1層の実務家教員自らも成長できるTEEPの教育支援体制が望ましいです。 多職種連携PBL演習を本格的に実務家教員が担っている大学は、まだ少ないようです。これからは実務家教員がさらに教育力をつけながら学生を伸ばすことになるでしょう。そのフィールドは企業であったり、自治体であったり、NPOであったりします。個々のフィールドが抱える課題の解決と今回のようなプログラムがセットになれば実務家教員の経験に裏打ちされた教育力を活かす場が広がると思っています。 この構造だったら、最終責任を負うのは1層の人ですよね。すると3層の人の成果を保証するのは1層の人で、2層の人も学び手であるといった立ち位置を最初に確認する必要があります。 1層の人は全体を見ながら、3層に介入することもあれば、2層に介入することもある。 そうした場合、2層の人が「プライドを傷つけられた」とか「一生懸命やったのに認めてくれなかった」などと言い出すと困ったことになります。 1層が30代で、2層が50代ということもあり得ますからね。その時に1層が2層にしっかりと伝えられる関係性が構築できるかどうかも重要です。 とにかく事前にやってみて、事後も振り返りの中で互いの関係性をつくりながらチームビルディングしていかないと、信頼関係を損なったり、次から来なくなる人が出たりということも起こりそうです。 興味深い議論になりました。この報告を受けながら、事前研修で行う参加者分析、学びのプロセスデザイン、事後研修で行う学びの成果のリフレクション学習に向けたポイントを整理して、次に展開していきたいと思っています。ありがとうございました。3層の興味関心を察知することからスタート1層と2層の事前研修での関係性構築が鍵「実務家教員」テーマにディスカッション!参加者(登場順)● 株式会社ジョイワークス 共同代表CEO 人財育成コンサルタント● 一般社団法人ひらけごま (現・ ひらけエデュケーション )● 名古屋市立大学大学院 経済学研究科 教授田口光彦若杉逸平・服部剛典鵜飼宏成発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会 事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1発行日 2020年6月15日 連絡先 E-mail : teep_oce@sec.nagoya-cu.ac.jp進化型実務家教員養成プログラム5vol.News Letter名古屋市立大学 岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学進化型実務家教員養成プログラムWebサイトhttps://teep-consortium.jp/若杉若杉若杉服部服部田口田口田口鵜飼鵜飼
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