TEEP NEWS LETTER Vol.05
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 我々はもともと高校教師で、今は学びの場のデザインやファシリテーター、モデレーターなどをしています。教師時代もアクティブラーニング型の授業をしていましたし、今でも教壇に立つことがありますので、そうした視点で報告いたします。 まず、TEEPで想定されている「多職種連携PBL演習」とは、未解決でやっかいな問題に対し、専門性や所属の異なる者が共同して解決するプロジェクト推進型の学習方法です。今回、参与観察した多職種連携PBL演習はその一類型(アントレプレナーシップ・エデュケーター養成型)で、アイデアを事業プランに昇華させる目的のプログラムです。さまざまな学部の学生が数名でチームをつくり、共同で事業プランを提案するまでのプロセスを徹底的に行い、最後は、プラン実現に向けたプレゼンテーションを産業界に行うことを目指しました。 具体的には、12月21日、1月11日、2月2日の各日、昼休憩を挟んで10:00から18:00までの演習授業を展開しました。演習日以外にも現地調査をしたり、実際のビジネスプランは価値があるかを調査したりするプログラムでした。学生は自分のアイデアを持ち込む「テーマ持ち込み型」、事業は持ち込まないけれど誰かを助ける「事業化サポーター型」として参加していました。 一番の魅力は、実務家教員が1層、教員を目指す実務家が2層、学生が3層という多層化構造(図1)であったことです。2層は1層と相談しながら3層に働きかけ、学生を指導する教育力を身につけていくだけでなく、3層も、1層と2層が外部の人材と連携してアイデアを生み出す環境で学びます。TEEPの多職種連携PBL演の特長は、この構造にあります。教員と学生の多層化構造が特長若杉逸平 服部剛典TEEPパートナー一般社団法人ひらけごま(現・ ひらけ エデュケーション )「多職種連携PBL演習」開発に向けた参与観察と評価中面へ続く        TEEPコンソーシアムでは、実務家教員を「①学生が主体的に探求できる学びを創出する」、「②新領域での課題解決を担う」、「③産学官民連携の共育環境を創出する」役割を担い、社会のチェンジ・エージェントとして活躍できる人材と規定し、意識的に『進化型実務家教員』と呼んでいます。進化型になる養成科目が「多職種連携PBL演習」です。多職種連携PBLには多様な類型が存在しますが、演習化するためには、事前の参加者分析、学びのプロセスデザイン、学びの成果のリフレクションが共通基盤として必須と考えています。私たちの使命は、他の大学や他の分野にトランスファーできる演習を構築することです。その第一歩として、アクティブラーニングの経験豊富な教育集団「ひらけごま」の若杉氏と服部氏に類型の1つを参与観察いただきました。以下は中間報告の一部(概要)です。今後も他類型の参与観察を通じ演習の充実を図ります。 調査の背景報告者2020年3月9日・中間報告会から ③(文・鵜飼宏成)文部科学省「持続的な産学共同人材育成システム構築事業」進化型実務家教員養成プログラム5vol.News Letter 名古屋市立大学 岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学

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