現場に入る実務家教員の方々は、このギャップに驚くこともあるでしょう。それでも、彼らには大学教育のあり方について、変革の起点となる役割を期待したいです。 私はもともと国家公務員ですので、名市大で特任教授だったときは、ある意味で実務家教員のような立場でした。その経験からすると、実務家教員を受け入れる側の大学、特に教員組織には新しいタイプの教員と、どのように協力しながら大学教育を時代に合ったものへと変えていけるかが問われるでしょう。これまでとは大きく異なるバックグラウンドの方が実務家教員として教員組織に入ってくるなかで、既存の教員には多様性を許容していく姿勢も必要です。 社会の現場を知った実務家教員が、新たに大学教育の現場に入ることによって、従来の大学教育を根底から変えていく。これからの時代は、大学教育のあり方を変えていかないと、そこから羽ばたいていく学生は社会で活躍するのが難しくなるでしょう。既存のアカデミック中心の教員と、新たな実務家教員とがうまく融合する教員組織を構築し、大学教育全体に反映していってほしいです。 実務家教員はこれからも増えていくでしょうから、まずは今の社会のニーズに対応した教育プログラムを構築するのが大切です。授業を受ける対象者は、今のところ社会人が中心なので、eラーニングや土日・夜間の開講など、社会人が学びやすい学習環境を整備してほしいと思います。 また、将来的には若い学生に対する教育の変革にも波及させていってほしいです。最初の話に戻りますが、大多数の若い学生に対しても、変化が激しい時代に、柔軟に対応できるようになるための教育をしていく必要があります。そのためには、従来型の授業科目だけでは、どうしても限界が生じます。例えばPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)のように、学生が主体的に社会課題を解決していく学びの機会をどのように整えていくかが問われます。こうした新しい教育方法・内容に対応していくためには、やはり実務家教員の存在が必要だと思います。 そう考えると、TEEPには実務家教員を養成すること自体を目的にするのではなく、「そもそも、どういう教育をしたいのか」を常に意識してもらいたいですね。新たな時代にも活躍できる人材が求められ、そのための教育改革に重要な役割を担うことが期待されるのが実務家教員です。大学教育の全体像を描くなかで、実務家教員の位置づけを明確にし、それに合わせて各大学の教育現場で活躍できる実務家教員を養成していくことが必要であると思います。加藤加藤これからの大学は、実務家教員養成への期待の高まりに、どう向き合うべきですか?最後に、実務家教員養成の展望と課題についてお聞かせください。新しい教育現場のマネジメントを(インタビュー/名古屋市立大学大学院人間文化研究科 准教授 三浦哲司)さとし本年4月からTEEPプログラムの試験実施を開始するに当たり、TEEP実施委員会では同プログラムのカリキュラムなどを紹介するWebサイトを開設し、3月下旬より公開しています。ご関心のある方は以下のURLで検索をお願いします。 https://teep-consortium.jp/発行者 TEEPコンソーシアム実施委員会 事務局 名古屋市立大学教務企画室内 〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1発行日 2020年4月1日 連絡先 E-mail : teep_oce@sec.nagoya-cu.ac.jp進化型実務家教員養成プログラム1vol.News Letter名古屋市立大学 岐阜薬科大学 高知県立大学 中京大学
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